2017.04.12 Wednesdayauthor :
香鈴
夜は短し歩けよ乙女、
同題の
森見さんの小説に
出会ったとき、
わたしは恋に落ちた。
なんて軽快で、
魅力的で、
魅惑的な
文章なのだろう、と
夢中になったのだ。
森見さん作品の中で
一番好きな小説といっても
過言ではないくらいだ。
森見さんの作品では
その前に
四畳半神話大系を
アニメとして視聴していた。
そこから興味を持ち、
乙女→四畳半→太陽の塔…
と読み進めていったのだった。
四畳半のアニメ、
あの軽快でスピーディな
世界観が大好きだった。
(ブルーレイを買う程に)
そんなわけで
乙女が四畳半の
監督、スタッフで
アニメ映画化すると聞いて、
何にもおいて
楽しみにしていたことは
皆さんもご存知の通りだ。
そして満を持して
先の日曜にその夢が
現実となった。
少しレビューしたい。
まず、言いたい。
わたしにとっては
この映画はとっても
オモチロイ映画だった。
DVD化したらレンタルする。
買うかは微妙。
声優陣について。
星野さんが
気にはなったが
邪魔はしていないし、
まあ大丈夫だった。
乙女の花澤さんは◎!
まさに乙女だった。
樋口さんが…
でも似ていたし
違和感はなかった。
パンツ総番長を
ロバート秋山さんが
やられていて、
意外な程にうまかった。
原作では秋パートのみの
文化祭事務局長が、
神谷さんということで
驚きの出番増加で
キャラ立ちしていた。
うむ…他を食いすぎや…。
ストーリーについて。
四畳半はほぼほぼ
原作通りでしたが。
まぁそれはノイタミナ枠で
時間があったから、
という理解で
いいかと思うのですが。
今回は90分での尺に
収めるということで
大幅改編もありましたね。
まず一番の改編は
春夏秋冬を描く原作に対し
一夜の物語として
見せているところ。
あとは各パーツで
湯浅監督色が出てました。
感想トカ。
正直に言います。
これは賛否分かれます。
実際レビュー見ると
分かれてました。
森見ファン、
四畳半ファンでも
これはダメだという方と
見受けられた具合に。
いやねー
その気持ちも分かります。
だって、
やっぱりこれは
森見映画というよりは
森見さんの小説を
湯浅監督が描いた作品、
ってことだから。
自分のイメージと
人のイメージが
必ずしも一致するわけは
ないのでね。
かくいうわたしも
まぁ、ちょっと違いました。
でも、うん、
わたしは許せますね!
むしろ映像化は無理だろう
と思われた本作において
一番理想的な形で
映像にしてくれたかな!
と感動しました。
但し、完全初見の
星野ファンや予告だけで
見に行った人が
楽しめる確率は
恐ろしく低いでしょうね。
事実、わたしの後ろの席の
女子2人は途中から
眠りについていましたし、
離席される方も
ちらほらおりました。
でもこれを見る人は
森見ファン、
四畳半ファンが
多いだろうことを
考えれば
楽しめる確率は
先ほどのように
跳ね上がります。
さて、
ここからはちょっと
ネタバレもありますから
ご注意くださいね。
やっぱさー、
一夜というのは
無理があるよね。
現実味全くない。
先輩の結婚式(春)
古本市の戦い(夏)
文化祭(秋)
風邪(冬)
の4パートがあって
一年中無我夢中で
外堀を埋めていたって
いうのが
やはり醍醐味なのに、
一晩じゃあさぁ、
伝わるもんも伝わんないよ。
四畳半のパラレルのような
感じで今作も
パラレルを渡り歩く乙女と
どの世界でも乙女の
外堀を埋める先輩という
構図にしたというなら
まだしも、乙女本人が
全て一夜の出来事だと
言い切っちゃってるしなぁ。
一夜でそんなことできる?
そもそも春場面で
みんな酔っ払いやん…。
いや確かに冬の伏線で
李白さん風邪ぴきだけど。
それだけはほんとね、
この映画の辛いところだ。
ただでさえ原作の
冬パートに
「え?!飛ぶの?!」
っていう夢見があるので
ファンタジー要素は
そこだけで十分なんですよ。
あ、李白さんの
電車もあるか。
まぁそれはいいとして。
そこの改編については
ちょっと遺憾でしたね。
あとは、やっぱり
文化祭事務局長が
他キャラを食いまくってた。
イケメンすぎるぜ…!
偏屈王の
ミュージカルパートは
全くいらなかったな。
普通の台詞読みで
充分だと思った。
原作の方が好きな
パート筆頭。
あと違和感を感じたのは
詭弁踊り
パンツ総番長のビジュアル
(もうちょい
なんとかしてあげてよ)
李白さんのビジュアル
くらいかなー。
あと古本市の神が
四畳半の小津の小さい版
だったのもかな。
図書館警察の場面で
四畳半が流れてるところも
あったりして、
小津なわけはないのだけど。
そっくりそのままだった。
むー。
まぁ四畳半では
図書館警察があるわけで、
この世界にはないのだから
パラレルとしか
考えられないから
いいのかもしれないけど。
まぁ四畳半のキャラあり
(羽貫さん樋口さん以外で)
湯浅さんの次に公開する
ポニョ的映画のキャラたちが
いたりして
見つけるのは楽しかったかな。
乙女が可愛かったことが
救いだったなー。
まあ一夜のことがあったり
全く伏線ないままに
乙女が先輩を好きになることに
?だったりはありますが。
6割満足なので
充分かなと思います。
一夜はないよ…。゚(゚´ω`゚)゚。
(まだ言う)
でも映画化されて
見ることができて良かった!
原作がお好きで
四畳半がお好きな方は是非。
あ、ただ四畳半の
スピード感を想像すると
星野さんの滑舌では
それが叶わなかったのか
ややゆっくり目ですので
ご注意ください。
それでも早口長ゼリには
変わらないですが。
そこはやはり星野さんだから…!
(わたしは星野が大好きだ!)
そんなわけで
楽しみにしすぎるのは
よくないです。
でも期待しなければ
普通に良かったでしょう!
皆様も湯浅ワールド
見てみてくださいねー!