ナイアガラ。
恋に似ているな、
と思った。
2年ぶり、くらい
久しぶりにイヤホンを使って
携帯で音楽をかけている。
やはり自分の殻に
閉じこもる時には
間違いなく有効な手段だ。
仕事終わり、
次の予定へ向かいがてら
皇居沿いを少し、歩いた。
冬の気配を匂わせる
最近何度か歩いた道は
もう夏なんて知らない顔で
横たわっている。
何度もすれ違った人が
声をかけてくる。
この誘いに乗れば
僕の知らない明日が
待っているのだろうか。
いま、
いま僕がこの地を捨て
逃げ出したとして、
一体どれだけの人が
それを悲しんでくれるだろう。
いま、
あの日に 僕が大切だと思っていた
何かはどれくらいの
重さを残して
僕の中に残っているだろう。
情けないなぁ。
情けない。
水面を見ていると
そこに吸い込まれるような
足元が崩れるような
はっきした浮遊感に
襲われる。
新しい水の入らない
淀んで腐りかけの、沼。
そこにずぶずぶと
入り込んでいくような
粘度と、じわじわと
蝕むような冷たさを感じた。
揺れたのは草だったのか、
気づくと白鳥が
近くを連れ立って
泳いでいて、
何でもないことなのに
何故か、涙が出た。
真っ白な羽を
身動ぎすることなく
優雅に水面を泳ぐ姿は
大袈裟でなく美しかった。
汚れない、
無垢なもの。
それは、いま、
僕がここにいること、
ここまでいたこと、
ここまでしてきたこと、
それを救える
唯一の存在。
愛しい顔を思い出して
2粒目が頬を伝った。
僕はたくさん間違えたけれど、
いま君に出会えた。
それが全て。
それが、全て。
遠くに東京タワーが見えた。
と思った。
2年ぶり、くらい
久しぶりにイヤホンを使って
携帯で音楽をかけている。
やはり自分の殻に
閉じこもる時には
間違いなく有効な手段だ。
仕事終わり、
次の予定へ向かいがてら
皇居沿いを少し、歩いた。
冬の気配を匂わせる
最近何度か歩いた道は
もう夏なんて知らない顔で
横たわっている。
何度もすれ違った人が
声をかけてくる。
この誘いに乗れば
僕の知らない明日が
待っているのだろうか。
いま、
いま僕がこの地を捨て
逃げ出したとして、
一体どれだけの人が
それを悲しんでくれるだろう。
いま、
あの日に 僕が大切だと思っていた
何かはどれくらいの
重さを残して
僕の中に残っているだろう。
情けないなぁ。
情けない。
水面を見ていると
そこに吸い込まれるような
足元が崩れるような
はっきした浮遊感に
襲われる。
新しい水の入らない
淀んで腐りかけの、沼。
そこにずぶずぶと
入り込んでいくような
粘度と、じわじわと
蝕むような冷たさを感じた。
揺れたのは草だったのか、
気づくと白鳥が
近くを連れ立って
泳いでいて、
何でもないことなのに
何故か、涙が出た。
真っ白な羽を
身動ぎすることなく
優雅に水面を泳ぐ姿は
大袈裟でなく美しかった。
汚れない、
無垢なもの。
それは、いま、
僕がここにいること、
ここまでいたこと、
ここまでしてきたこと、
それを救える
唯一の存在。
愛しい顔を思い出して
2粒目が頬を伝った。
僕はたくさん間違えたけれど、
いま君に出会えた。
それが全て。
それが、全て。
遠くに東京タワーが見えた。