さよならを言おう。
ありがとう、
ごめんね。
また、おいでね。
そんな気安さで
君を見送ろう。
自分の罪を
受け止めよう。
僕が僕であるために
出会えなかった君に、
遠くからエールを、
ここから愛をおくるよ。
誰が何を言っても
僕だけは君の味方さ。
君は僕のひかり。
いつになるかな、
でもきっと会えるよ。
僕は諦めない。
きっときっといつか、
君の温かい手を掴もう。
ゆるく握り返される、
そんな時間を想って
前に進もう。
遠くない未来で
泣かないで待っていて。
君を愛している。
選んでくれてありがとう。
しっかりと
つかまえてあげられなくて
不甲斐ない僕でごめん。
また、会いにおいで。
そのときは
もう手を離さないから。
明け方、
少し泣いた。
もうすぐ太陽が昇り
街が動き出す。
君はまっすぐ歩いていく。
そっと僕の手から
こぼれおちるように、
すりぬけるように、
靄が消えるような曖昧さで。
幸せの余韻を残して。
僕を置いていく。
僕は為す術もなく
ただその事実を噛みしめる。
砂利のような苦味が
奥歯に広がり、
嗚咽がこみ上げるけど、
受け止めるほかない。
受け止め、
歩き出さなければ、
それこそが
永遠の別れになるだろう。
僕は君に会いたい。
君の手を取りたい。
いつか、
会える日に向かって。
僕は進むよ。
僕のひかり、
もう少し待っていて。
だから今は
さようならを受け入れよう。
愛しい君に
さようならを言おう。
過ぎ去りし如月、
泡沫の夢、
未来を揺蕩う
愛しいあなたは
まだ眠りの中。